膝の痛みでお悩みではありませんか?

膝の痛みの原因は、大人では加齢や負荷による変形や炎症、子供では部活などでのオーバーユース(使いすぎ)や、筋肉の硬さなどが原因となることが多いです。いずれも痛みがでてからなるべく早期に適切な治療を受けることで治りが良くなります。痛みが2週間以上長引いている場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

よくある膝の疾患とリハビリ

臨床現場の医師と理学療法士より、膝の疾患の解説をお届けします。

大人:変形性膝関節症

変形性膝関節症は、加齢とともに膝の軟骨がすり減ることで発症します。荷重がかかる階段昇降やしゃがみ動作などで痛みを生じることが多いです。また、筋肉・膝周囲の組織が固くなってしまうことで関節に負担がかかり、痛みを生じます。さらに、筋力低下により自身の体重を支えることができなくなると、歩行時でも痛みがでます。
そういった症状の場合は、膝の可動域を拡大し膝周囲の組織や筋肉の柔軟性を改善させることが必要になります。当院のリハビリでは、ストレッチや筋力強化に加え、理学療法士が階段昇降や歩行を観察・分析し、膝に負担の少ない動作の獲得を目指します。

子ども:オスグットシュラッター病

成長期のお子さまの場合は骨に対して筋肉の成長が追いつかず、関節に負担がかかってしまうことがあります。オスグットシュラッター病は膝の前面(膝蓋腱)に痛みを生じ、サッカー・バレー・バスケットボールなどのジャンプやダッシュが多い競技で発症します。過度な練習によるオーバーユーズや筋肉(太ももの前の筋肉)の柔軟性の低下が大きな原因になります。当院のリハビリにおいては、適切なストレッチの指導や膝への負担を減らすためのトレーニングを行います。

その他の膝の疾患

半月板損傷

半月は膝関節のうち、大腿骨と脛骨の間にあるC型をした軟骨の板です。内側・外側にそれぞれがあり、クッションの役割をはたしています。この半月板が損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたりします。スポーツなどの怪我から発症する場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月に微妙な外力が加わって損傷する場合とに分けられます。スポーツの怪我が原因の場合は、体重が加わった状態でのひねりや衝撃によって半月だけが損傷するものと、前十字靱帯損傷などに合併して起こるものとがあります。また、半月は歳を重ねるごとに変性するので、40歳以上ではちょっとした外傷でも半月の損傷が起こりやすくなります。損傷の状態によっては放置してしまうと、さらに関節の軟骨を傷めることもあります。

前十字靭帯損傷

膝関節は、大腿骨と脛骨が前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靱帯、外側側副靱帯の4つの靱帯でつながっています。
前・後十字靱帯は大腿骨と脛骨の間で交差しており、前十字靭帯は脛骨が前へ出ないように、後十字靱帯は脛骨が後ろへずれないように、それぞれ動きを抑えています。一方、内側・外側側副靱帯は膝関節の両側にあり、膝の左右の動きを抑えて膝関節の安定性を高めています。
これらの靱帯が耐え切れないほどの強い力が加わって、伸びたり切れたりした状態を膝靱帯損傷といい、膝に加わった力の向きによって損傷する靭帯が違ってきます。前十字靭帯の損傷はスポーツでの発症が多く、バスケットボールやサッカーなどのジャンプの着地、急な方向転換・停止時に発生することが多いです。また、交通事故でも発症することもあります。 症状は激しい痛みだけでなく、靭帯からの出血により関節内に血液がたまり、関節の腫れを伴います。徐々に症状が改善し数週間で歩けるようになりますが、膝の不安定感や、膝くずれと呼ばれる膝が抜けるような感じが生じることもあります。

鵞足炎

鵞足炎はランニングによる膝障害の代表です。鵞足とは、膝の内側に並んだ3つの筋肉(縫工筋・薄筋・半腱様筋)が骨にとまっている箇所を指します。膝の曲げ伸ばしの時に、これらの部位は大腿骨の内顆や脛骨内顆とこすれ、また腱同士の間でもこすれ合いがおこります。このようなこすれ合いが繰り返されることで滑液包に炎症が生じて、腫れや痛みを感じる状態が鵞足炎です。
発生の要因は主にオーバーユーズですが、鵞足を構成する筋肉の疲労が蓄積し、柔軟性が低下していると鵞足炎のリスクが高くなります。また、膝がX脚気味であったり、膝が内側にぶれる動きが多いとさらにリスクが高まります。
症状としては膝の内側~後ろ気味の痛み、突っ張り、腫れが主症状です。屈伸時に引っかかるような違和感も症状としてあります。初期は動き始めに違和感があっても、ウォーミングアップされて温まると違和感がなくなった後に徐々に違和感が出てきますが、状態が進行すると違和感が消えなくなっていきます。さらに進行すると、ウォーミングアップ後も痛みや違和感がなくならず、練習ができなくなってしまいます。

関節水腫

関節水腫とは膝に水(関節滑液)が溜まった状態のことです。関節滑液は関節間の摩擦を減らし、動きを滑らかにする潤滑液のことを指します。
膝や周辺組織に炎症が起きたり、骨が変形して軟骨同士に過剰に摩擦が生じたりすると、吸収し切れない量の関節液が分泌されてしまい、関節水腫となります。そのような状態になると、膝が腫れる、熱っぽく感じる、痛む、突然激痛が走る、何か入っているような異物感がある、というような症状が現れます。

よくあるQ&A

膝が痛くて正座ができないのですが・・・
筋肉や軟部組織の硬さが原因であれば、ある程度改善は見込めます。その他、骨や靭帯に原因がある場合は、ふくらはぎとお尻の間にクッションを挟むなどして膝の負担を減らす工夫をしましょう。強い痛みがある場合は、膝の負担になってしまうため正座は避けましょう。
曲げ伸ばしの際に膝から音が鳴るのですが、大丈夫ですか?
パキ・ポキといった音で痛みがない場合は特に心配ありません。ギシギシ・ゴリゴリといった音で痛みを伴う場合は軟骨が減少している可能性があります。その場合は整形外科を受診し、レントゲン撮影にて膝の状態を確認しましょう。
立ち上がりの際に痛むのはなぜですか?
筋力低下の可能性があります。膝が曲がった状態から体重を支え、膝を伸ばすためにはかなりの筋力を必要とします。太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることで、膝の痛みが軽減され、スムーズな立ち上がりが可能になります。
ストレッチはどれくらいやるのが良いのでしょうか?
基本的には毎日行いましょう。運動前後にやるのは当然ですが、お風呂上がりや起床時に行うのも良いでしょう。しかし、反動をつける、伸ばす時間が短くなる等、適当にやってしまうとストレッチの効果が薄れてしまいます。深呼吸しながらゆっくり10秒以上かけて伸ばしたい筋肉を意識しながらストレッチしましょう。
今からでも筋力はつくのですか?
はい。筋力の向上や筋肉量の増加はいくつになっても可能です。ただし、適切な負荷量や頻度を設定し継続することが重要になります。一方、間違ったフォームや回数を行うとなかなか筋力つけていくのは難しいかもしれません。医師・理学療法士などの指導の下で正しい動きを身につけて、自宅で実践してみましょう。