スポーツの打撲と骨折の見分け方と整形外科を受診する症状のサイン|西郷整形外科リハビリクリニック|茨城県土浦市の西郷整形外科

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スポーツの打撲と骨折の見分け方と整形外科を受診する症状のサイン

スポーツの打撲と骨折の見分け方と整形外科を受診する症状のサイン

目次

歩けても骨折の可能性がある?スポーツ後の腫れと痛みの見方


スポーツ後の腫れや青あざ、押したときの痛みだけでは、打撲と骨折をはっきり見分けることはできません。「歩けるから大丈夫」と決めつけないでください。形がおかしい、しびれがあるときはその日のうちに受診し、痛みが続くときは整形外科でレントゲンなどの検査をご検討ください。この記事では、急いで受診したいサイン、家でできる手当て、初めての診察で医師に伝えたいことをまとめます。


この記事の要点まとめ


  • 腫れや青あざ、歩けるかどうかだけでは打撲と骨折を区別しにくく、小さなヒビでも歩ける場合があります。
  • 変形や体重をかけられない状態、しびれや冷たさがあるときは当日中の受診を検討し、痛みや腫れが続く場合は整形外科へ。
  • けがの直後はプレーを中断してRICE処置を行い、受傷時の状況や仕事・試合の予定を診察で伝えましょう。

打撲と骨折は腫れや痛みの強さで見分けられる?


腫れや皮下出血、押したときの痛み、動かしにくさは打撲でも骨折でも起こるため、症状の強さだけで区別するのは困難です。見た目や歩けるかどうかだけで判断せず、骨に傷がないかを確認する視点が求められます。


腫れ・青あざ・圧痛は打撲でも骨折でも起こる


打撲とは、転倒や接触などの衝撃で筋肉や皮下組織が傷つくけがのことです。血管が傷つくと内出血による青あざや腫れが出ますが、これらは骨折や不全骨折(ヒビ)でも同じように現れます。さらに捻挫や靭帯損傷、肉離れとも腫れや痛みの出方が重なるため、外からの見た目だけでどの組織が傷んでいるかを判断するのは難しいのが実情です。


「歩けるから打撲」はよくある誤解 足の甲のヒビでも歩けることがある


「歩けるなら骨折ではない」と考える方は少なくありませんが、足の甲(中足骨)や足の指の小さなヒビでは、痛みを我慢すれば歩けてしまう場合があります。かかと側に体重を逃がせば移動できることもありますが、踏み込んだときやつま先立ちで鋭く痛む、骨の上の一点を押すと強く痛むといった違和感があるときは、自己判断で済ませないことが大切です。


変形がなくても見逃されやすい疲労骨折・小さなヒビの条件


一度の強い衝撃だけでなく、練習が増えたり同じ動きをくり返したりして起こる疲労骨折も、形が変わらず見のがされやすいけがです。たとえば手の甲の骨(中手骨)の疲労骨折では、運動にともなって手の甲が痛むのがよくみられる症状です1。骨のストレス損傷では、画像で傷みの程度を早めに確かめることが、競技に戻る計画を立てる手がかりになります2。


ポイント

歩けるかどうかや腫れの程度だけでは、打撲と小さなヒビ・疲労骨折を見分けることはできません。


予約を待たずに受診を考えたいのはどんな症状?

予約を待たずに受診を考えたいのはどんな症状?

見た目の変形、足に体重をかけられない状態、しびれや皮膚の冷たさがある場合は当日中の受診を検討してください。これらがなくても、強い圧痛や数日で引かない腫れがあるときは早めに整形外科を予約しましょう。


受診の目安主な症状のサイン
当日中の受診・救急対応を検討骨のずれや変形、数歩も体重をかけられない、指先のしびれ・冷たさ・皮膚の変色、傷口から骨が見える
早めに通常の診療予約を検討骨の一点を押すと強く痛む、時間とともに腫れや青あざが広がる、数日たっても踏み込みの痛みが変わらない

変形・体重をかけられない・しびれや冷たさは当日中の受診を検討


左右をくらべて明らかに形がちがう、数歩も体重をかけられないときは、骨のずれや関節の深いけがが考えられます。また、指先のしびれ、皮ふが白っぽい・むらさき色になる、さわると冷たいといったサインは、血管や神経に影響が出ているおそれがあるため、予約を待たずに受診してください。夜や休みの日にこうした症状が出たときは、救急の病院にかかることも考えてください。


一点を押すと強く痛む・数日で腫れが引かないなら早めに予約


骨の上を指先で一点だけ押すと強く痛む(限局性圧痛)、家に帰ってから腫れや青あざが広がってきた、数日たっても踏み込むと痛む。こうしたときは、早めに整形外科の予約を取りましょう。押したときの痛みなど手で触れる診察だけでは骨折かどうかを見きわめきれないため、画像で確かめることが大切です。


成長期の子どもや骨粗しょう症・骨折歴がある方は受診の判断を早めに


年齢やこれまでの病歴によっても、受診を急ぎたい基準は変わります。成長期の子どもでは骨が伸びる部分(骨端線)を傷めることがあり、単なる打撲や捻挫と区別するための確認が欠かせません。また、骨粗しょう症がある方や高齢者が転倒したあとに歩けない場合は、軽い衝撃でも骨折している可能性があるため、様子を見ずに早めの受診をご検討ください。


受診までの応急対応と、仕事や試合への戻り方はどうする?


けがをした直後はその場でプレーをやめ、RICE処置(安静・冷やす・圧迫・高く上げる)で痛めた場所を守ってください。痛いのをがまんして運転や荷物運び、試合に出ることを続けると、傷が広がるおそれがあります。


受傷直後はプレーを中断し、RICEで冷やして保護する


ぶつかった直後に痛みが強いときはプレーを止め、ほかの選手とぶつからないコートの外などへ移動します。受診までの間は、以下のRICE処置で患部の腫れや痛みを抑えましょう。


  • 安静(Rest):体重をかけず、段ボールや雑誌、添え木などで患部が動かないよう簡易的に保護する
  • 冷却(Icing):氷嚢や保冷剤をタオル越しに当て、15〜20分ほど冷やして感覚がにぶくなったらいったん外す。腫れや痛みが続くときは、時間をおいてまた冷やす(冷やしすぎによる凍傷に注意する)
  • 圧迫(Compression):弾性包帯やテーピングで軽く圧迫する(しびれや皮膚の変色が出たらすぐに緩める)
  • 挙上(Elevation):座る・横になるときにクッションなどを下に敷き、患部を心臓より高い位置に保つ

痛みを押して配送業務や大会に戻ると何が起こる?


「仕事を休めない」「週末の大会に出たい」と痛みを我慢して動き続けると、小さなヒビが完全な骨折へ広がったり、回復までの期間が長引いたりすることがあります。さらに、痛みを避けてかばう動きが続くと、反対側の脚や腰など別の部位を痛める悪循環にもつながりかねません。車の運転でのブレーキ操作や重い荷物の積み下ろしに支障が出そうなときは、まず医師の見立てを受け、職場への相談時期や業務調整の範囲を確認することが大切です。


ポイント

受診までは、痛む足に体重をかけたり運転したりするのを控えましょう。仕事や試合の予定もあわせて医師に話し、この先の見通しを立てていきます。


整形外科では何を調べ、初診で何を伝えればよい?


整形外科ではレントゲンや超音波検査などで骨や周囲の組織を調べ、受傷時の状況とあわせて診断を行います。いつ、どのように痛めたか、仕事や競技の予定をメモして伝えると診察がスムーズです。


レントゲン・超音波検査で分かることと、再検査が必要になる場合


整形外科では、レントゲン検査で骨の折れ方やずれを調べ、超音波診断装置(エコー)で靭帯や筋肉、関節内の腫れ、骨の表面のわずかな変化などを確認します。身体診察だけでは見分けにくい損傷も、画像を組み合わせることで状態が把握しやすくなります。ただし、小さなヒビや疲労骨折は、はじめのレントゲンでははっきりしないことがあるため、痛みや腫れが続くときは日をおいて再び診察を受け、検査をくり返すかどうかを相談しましょう。


受傷時刻・ぶつかり方・症状の変化・仕事内容をメモして伝える


初診の場では、けがをしたときの詳しい状況が診断の手がかりになります。受診前にスマートフォンのメモなどに以下の項目を書き留めておくと、伝え漏れを防げます。


  • けがをした日と時間、どんな動きの中で何とぶつかったか
  • けがの直後とくらべて、いまの腫れ・青あざ・痛みがどう変わったか
  • 体重をかけて歩ける距離や、とくに痛む動き(踏み込み、階段など)
  • 家でした手当てや、使った市販の薬・湿布があるか
  • ふだんの仕事(運転、立ち仕事、荷物運びなど)と、近いうちの試合の予定
  • これまでに骨折したことがあるか、いま治療中の病気があるか

痛みが取れることと競技に戻れることは別 復帰まで見据えた診療の進め方


日常生活で痛みが和らいだ状態と、スポーツの強い負荷に耐えて競技へ戻れる状態は同じではありません。骨や組織の回復を待つ間に筋力や柔軟性が落ちたり、痛みをかばうフォームが身についたりするため、段階的に身体機能を戻していく運動器リハビリテーションが重要になります。復帰を急ぐあまり自己流の運動で焦りを感じる方も多いからこそ、可動域や筋力、体幹バランスまで評価し、いつどの程度動けるかという見通しを医師や理学療法士と共有しながら進めることが再発予防につながります。


来院前に確認しておきたいこと


当院は茨城県土浦市おおつ野5丁目1-8にあり、専用駐車場があります。受付は8:45〜12:00と14:00〜18:00で、休診日は木曜・日曜・祝日です。足を痛めていて車の運転が難しい場合はご家族の送迎や付き添いを検討し、初診時には仕事への影響や通院頻度の見通しについても遠慮なく医師へお尋ねください。


なお、整形外科のはじめての受診で、診察やレントゲンを受けたときに窓口で払うお金は、3割負担で2,000〜5,000円ほどが目安です。この金額はよくある相場で、当院の費用ではありません。実際にかかるお金は、医療機関や受けた検査・処置によって変わります。


よくある質問


Q. 足の指の打撲と骨折の違いは何ですか?


A. 打撲は皮膚の下の組織や筋肉の損傷であるのに対し、骨折は骨そのものにヒビや折れが生じた状態です。足の指は骨が小さく、骨折していても腫れや青あざの出方が打撲とよく似ており、かかと歩きで移動できてしまうこともあります。指先を軽く押したり動かしたりして強く痛む場合は、画像検査での確認をご検討ください。


Q. 子どもが腹部や頭部を打撲した場合、受診の目安はいつですか?


A. 手足の打撲とちがい、おなかや頭を強く打ったときは、体の中の臓器への影響に気をつける必要があります。顔色が悪い、何度も吐く、痛みが強くなっていく、意識がぼんやりしている、熱があるといった様子が一つでもあれば、様子を見ずにすぐ小児科や救急の医療機関を受診してください。


Q. 痛み止めや湿布を使いながら仕事や練習を続けてもよいですか?


A. 痛み止めや湿布で痛みが和らいでも、骨や靭帯にかかる負担は変わりません。痛みを感じにくい状態で動き続けると、小さなヒビが広がったり回復が長引いたりすることがあるため、休む期間や仕事の調整は医師と相談して決めてください。飲み薬や湿布を使っていて体調や皮膚に気になる変化が出たときは、使うのをやめて医師や薬剤師に相談してください。


Q. リハビリや運動を再開したあとに痛みが強くなった場合はどうすればよいですか?


A. 運動やリハビリテーションのあとに腫れが増したり、翌朝まで痛みが残ったりする場合は、現在の回復段階に対して負荷が大きすぎたサインと考えられます。無理にメニューを続けず、どの動作のあとにどの程度痛んだかを記録し、次の診察やリハビリの際に医師・理学療法士へ伝えて負荷を調整してもらいましょう。


参考文献


1. Shaari AL, Fano AN, Ferraro J et al. Metacarpal Stress Fractures in Athletes: A Systematic Review. Hand (New York, N.Y.). 2025. PMID: 39049518 / DOI: 10.1177/15589447241266965

2. Hoenig T, Tenforde AS, Strahl A et al. Does Magnetic Resonance Imaging Grading Correlate With Return to Sports After Bone Stress Injuries? A Systematic Review and Meta-analysis. The American journal of sports medicine. 2022. PMID: 33720786 / DOI: 10.1177/0363546521993807

3. Reiman MP, Goode AP, Hegedus EJ et al. Diagnostic accuracy of clinical tests of the hip: a systematic review with meta-analysis. British journal of sports medicine. 2013. PMID: 22773321 / DOI: 10.1136/bjsports-2012-091035


西郷 峻瑛

医師


西郷整形外科リハビリクリニック 土浦院

院長

西郷 峻瑛

▶ 監修者プロフィール

経歴
獨協医科大学 卒業
岩手県立胆沢病院
岩手医科大学大学院 卒業
岩手県立二戸病院
岩手県立釜石病院
土浦協同病院
資格・所属学会
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本整形外科学会認定リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医