試合前の捻挫で出場を迷うときに知っておきたい応急処置と受診の判断|西郷整形外科リハビリクリニック|茨城県土浦市の西郷整形外科

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理事長ブログ BLOG

試合前の捻挫で出場を迷うときに知っておきたい応急処置と受診の判断

試合前の捻挫で出場を迷うときに知っておきたい応急処置と受診の判断

試合直前の捻挫で迷ったらまずプレーを止めて確認を


試合の直前に足首をひねったら、いったん運動を止めて手当てをし、腫れや踏み込むときの痛みがあれば自分で決めて出場せず、整形外科へ相談するのが基本です。歩ける状態でも靭帯や骨が傷んでいることがあるため、どのくらい急いで受診するかの見分け方と、診察で伝えたいことをまとめます。出たい気持ちと翌日の仕事への不安で迷うなかでも、落ち着いて決めるための手順を確かめましょう。


この記事の要点まとめ


  • 足首をひねったらプレーを止め、休ませる・冷やす・押さえる・高く上げる手当てをする。足首の形が変わっている、しびれる、歩けないときは早めの受診を考える。
  • 歩けたりテーピングで痛みが軽くなったりしても、競技に戻ってよい目安とは限らない。腫れや踏み込むときの痛みは整形外科で相談する。
  • 診察ではけがをしたときの様子や試合・仕事の予定を伝え、傷みの程度や検査、少しずつ戻る計画とリハビリについて相談する。

試合前に捻挫したら、まず何をして受診の緊急度をどう見分ける?


足首をひねったら、すぐにプレーを止めて手当てをしながら、どのくらい重いかを確かめます。足首の形が変わっている、しびれがある、体重をかけにくいときは、その日のうちに整形外科か救急を受けることを考えてください。


試合への参加をいったん止めて行う応急処置の手順


痛みを我慢して動き続けると腫れや内出血が広がりやすいため、まずはコートやグラウンドの外へ出て安静(Rest)を保ちます。そのうえで、冷却(Icing)・圧迫(Compression)・挙上(Elevation)を組み合わせたRICE処置を行います。


冷やすときは、氷や保冷剤をタオルで包み、痛めたところへ当てます。包帯やテーピングでの圧迫は強く締め付けすぎないよう加減し、足首を心臓より高い位置に上げて休ませてください。受傷直後に患部を温めたり強くもんだりする処置は、炎症や腫れを強めるおそれがあるため控えます。なお、冷却時間などの目安は症状や体質によって異なり、応急処置は医師の診察に代わるものではありません。


救急受診と当日中の整形外科受診を分ける症状の目安


応急処置と並行して、受診を急ぐべきサインがないかを確認します。症状に応じた受診先の目安は次の通りです。


確認したい症状の特徴受診の目安
足首の明らかな変形、足先のしびれや感覚の異常、体重をまったくかけられない、急激に強まる腫れや痛み救急受診も含めて早めの受診を検討
何とか歩けるものの腫れが出ている、踏み込むと痛みが続く、くるぶしや足の甲の一点を押すと強く痛む試合出場を見送り、当日中の整形外科受診を検討

医療の現場では、足首をけがした人に骨折がないと見きわめ、レントゲンを省けるかを決める目安としてオタワ足関節ルールが使われています1。骨を押したときの痛みや、歩けるかどうかを手がかりにする方法です。ただし、これは医師が診察で骨折の可能性を評価するための指標であり、歩けるからといって自己判断で骨折や靭帯損傷を否定する道具ではありません12。少しでも踏み込みにくさや腫れがある場合は、整形外科で状態を確認してもらいましょう。


歩けてテーピングで痛みが軽ければ、試合に出てもよい?

歩けてテーピングで痛みが軽ければ、試合に出てもよい?

平地を歩けることや、テーピングで痛みが和らぐことは、そのまま試合に出場してよい根拠にはなりません。日常の歩行と競技中の動きでは足首にかかる負荷が大きく異なるため、切り分けて判断する必要があります。


歩けることと試合に戻れることは分けて考える


当院では、痛みが取れてふだんの生活を送れる状態と、スポーツに戻れる状態をはっきり分けて診ています。腫れや痛みが落ち着いただけで、けがをする前の体に戻ったとは考えていません。


たとえばサッカーやバスケットボールでは、全力での踏み込み、急な切り返し、ジャンプの着地や相手との接触など、ただ歩くときよりはるかに強い力が足首の靭帯(骨と骨をつなぐすじ)にかかります。かかと側に体重を逃がして歩けていたとしても、競技の負荷に耐えられるとは限りません。


当院では、そもそもなぜ足首をひねったのかを、医師と理学療法士がくわしく見ていきます。おなかや背中まわりのバランスのくずれや、一部の筋肉の力が落ちていないかまで確かめます。一般的には、片足で立つ動きや切り返しの動きなどを見ながら、いつ競技に戻るかを考えます。


痛みを抑えて競技を続けた場合に起こりうる悪化と長引く影響


テーピングやサポーターは関節の動きを補助するためのもので、傷ついた靭帯そのものを修復するわけではありません。固定によって一時的に痛みが軽くなっても、損傷した状態で無理にプレーを続けると、靭帯の傷が広がったり軟骨を傷めたりするおそれがあります。


さらに、適切な固定やケアを行わずに負荷をかけ続けると、靭帯が緩んだままになり、関節の不安定性(足首がぐらつく状態)や捻挫の再発、慢性的な痛みにつながるリスクが高まります。悪化すれば、翌日からの立ち仕事や車の運転、家族の送迎といった日常生活にも影響が長引きかねません。足首の捻挫後に運動療法(リハビリ)を取り入れることは、再受傷を減らすうえで役立つと報告されています3。テーピングをして出場してよいかどうかも含め、まずは損傷の程度を医師に相談してください。


ポイント

平地を歩ける状態と競技の負荷に耐えられる状態は異なるため、テーピングで痛みを抑えての自己判断による出場は控えましょう。


受診したら欠場が決まる? 診察で伝えることと確かめることは?


整形外科を受診しても、それだけで試合に出られないと決められるわけではありません。けがの状態をくわしく確かめたうえで、試合の予定や翌日の仕事のことも含めて、出られるかどうかや動きをどこまでおさえるかを医師と話し合う場です。


試合までの時間と翌日の仕事を診察で伝える


当院では、試合が近い場合や仕事を休めない場合にも、その事情を踏まえて患者さんの選択をサポートしています。頭ごなしに一律で競技の継続や休止を指示するのではなく、医学的な評価をもとに現実的な対応を一緒に考えます。もちろん、事情への配慮はそのまま出場の保証になるわけではなく、検査結果と照らし合わせて判断する流れです。


診察をスムーズに進めるため、受診前に次の情報をメモしておくと役立ちます。


  • けがをしたときの様子:ひねった時刻、足首をひねった向き(内側か外側か)、ひねった直後に歩けたかどうか
  • これまでの経過と予定:前にも捻挫したことがあるか、競技の種類と試合が始まるまでの時間、翌日からの仕事の内容(倉庫での立ち仕事、荷物を運ぶ、運転など)

診察では損傷の状態と必要な検査を確認する


当院では、レントゲンと超音波診断装置(エコー)を診断や治療に活用しています。歩ける状態であっても、骨に小さなヒビがないか、どの靭帯がどの程度傷んでいるかを確かめることが、その後の見通しを立てる出発点になります。


レントゲン検査は主に骨折や骨の並びを確認するために行われ、超音波検査は靭帯や腱などの軟部組織の状態を観察する際に用いられます。先述したオタワ足関節ルールのように、骨の圧痛や歩行の可否からレントゲンの必要性を判断する基準も参考にしながら、実際にどの検査を行うかは医師が診察で判断します12。


茨城県土浦市で受診先を決めるとき、診察後まで相談できることは?


受診先を選ぶ際は、当日の検査や応急的な処置だけでなく、精密検査や手術が必要になった場合の連携体制や、競技復帰に向けたリハビリまで一貫して相談できるかを確認しておくと見通しが立てやすくなります。


緊急対応や手術が必要な場合の連携と受診先の確認


当院は土浦市おおつ野の土浦協同病院向かいにあり、同病院と連携して、手術や緊急対応が必要な場合の紹介と、当クリニックでのリハビリ・経過観察を組み合わせる体制を整えています。重度の靭帯断裂や骨折が見つかった場合でも、連携先での治療と当院での継続的なフォローをつなげることが可能です。


当院へは、JR土浦駅の西口のバスのりばから関鉄バスの「協同病院」行きに乗ると、25分ほどで土浦協同病院前に着きます。JR神立駅からは、東口のバスのりばから関鉄グリーンバスの「協同病院」行きに乗って15分ほどです。そこから今川薬局様・日本調剤様のほうへ進むと当院が見えます(車で来られる方のための駐車場もあります)。


なお、症状によっては、その日のうちに受けられるかどうかや対応できる時間が変わります。診療は月・火・水・金・土の9:00〜12:00と14:00〜18:00で、受付は8:45からです(土曜の午後も診療しています)。木曜・日曜・祝日は休診のため、初診の方法とあわせて、来院前に医院の案内を見るか、お問い合わせください。


一般的には、整形外科で初診・レントゲン検査・処置などを保険診療(3割負担)で受けた場合、窓口での支払いは数千円程度で、検査や処置の内容によって変わります。競技用のテーピング指導やインソール作成など、内容によっては公的医療保険が使えない自由診療となる場合もあります。


診察後は競技復帰に向けたリハビリも相談する


当院では、国家資格を持つ理学療法士が在籍し、マンツーマンでの運動器リハビリを提供しています。運動器リハビリテーション施設基準Ⅰを取得しており、単に足首の痛みを和らげるだけでなく、原因の分析から動作の確認、競技特性に必要な身体機能の獲得、再発予防の身体づくりまでを一連の支援として行っています。


足首の捻挫に対する運動療法は、再発を抑える観点からも重要性が示されています3。なお、足首の外側の靭帯を傷めた場合、多くは数週間で痛みや腫れがおさまっていきます4。ただし、痛みや足首のぐらつきが残ることもあり、傷みの重さや仕事での負担によって経過は変わります。


翌日の立ち仕事で気をつける動きや、段階的な練習再開のスケジュールも含め、まずは診察で医師や理学療法士にご相談ください。


ポイント

当日の出場判断だけでなく、翌日からの仕事上の注意点や再発を防ぐリハビリ計画まで含めて、整形外科で相談して見通しを立てましょう。


よくある質問


Q. 捻挫をした当日、お風呂(湯船)に入ってもいいですか?


A. けがをした当日は、湯船につかって足首を温めるのは控えてください。けがの直後に温めると腫れや痛みが強まるおそれがあるため、シャワーで済ませ、湯船に入り始める時期は医師に確かめましょう。


Q. 立ち仕事を休めない場合、市販の湿布や痛み止めを使って働いてもよいですか?


A. 湿布や鎮痛薬は痛みを和らげる助けになりますが、靭帯の傷そのものが修復されたわけではありません。痛みが隠れることで無理に踏み込み、損傷を広げてしまうリスクがあるため、まずは受診して固定具(サポーター等)の使用や業務上の制限について医師と相談してください。


Q. 前距腓靭帯損傷と診断された場合、どのくらいで競技に戻れますか?


A. 復帰までの期間は、足首の外側にある前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)が軽く伸びた程度か、一部または全部が切れているかによって大きく変わります。足首の外側の靭帯を傷めた場合、多くは数週間で痛みや腫れがおさまりますが、1〜2割ほどの人では痛みやぐらつきが残ると報告されています4。そのため、診察での画像評価や、片足立ち・ジャンプなどの動作確認を通じて段階的に復帰時期を決めていきます。


参考文献


1. Gomes YE, Chau M, Banwell HA et al. Diagnostic accuracy of the Ottawa ankle rule to exclude fractures in acute ankle injuries in adults: a systematic review and meta-analysis. BMC musculoskeletal disorders. 2022. PMID: 36151550 / DOI: 10.1186/s12891-022-05831-7

2. Bachmann LM, Kolb E, Koller MT et al. Accuracy of Ottawa ankle rules to exclude fractures of the ankle and mid-foot: systematic review. BMJ (Clinical research ed.). 2003. PMID: 12595378 / DOI: 10.1136/bmj.326.7386.417

3. Bleakley CM, Taylor JB, Dischiavi SL et al. Rehabilitation Exercises Reduce Reinjury Post Ankle Sprain, But the Content and Parameters of an Optimal Exercise Program Have Yet to Be Established: A Systematic Review and Meta-analysis. Archives of physical medicine and rehabilitation. 2019. PMID: 30612980 / DOI: 10.1016/j.apmr.2018.10.005

4. 足関節外側靭帯損傷 | みんなの医療ガイド | 兵庫医科大学病院. https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/95


西郷 峻瑛

医師


西郷整形外科リハビリクリニック 土浦院

院長

西郷 峻瑛

▶ 監修者プロフィール

経歴
獨協医科大学 卒業
岩手県立胆沢病院
岩手医科大学大学院 卒業
岩手県立二戸病院
岩手県立釜石病院
土浦協同病院
資格・所属学会
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本整形外科学会認定リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医