スポーツ医は、部活動に励むお子さんはもちろん、ケガを抱えながらも競技を続けたいアスリートにとって、競技復帰までの治療や復帰方針を示してくれる存在です。

この記事では、スポーツ医とはどんな役割なのか、整形外科医との違いや対応できるケガと治療内容について解説します。

スポーツ医について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

■スポーツ医とは？整形外科医とスポーツ医の違い

スポーツ医とは、整形外科のなかでもスポーツが原因となるケガや疼痛（痛み）に対して診療を行う医師です。

一般的な整形外科医が、日常生活で生じる運動器全般の痛み・症状を幅広く診療するのに対し、スポーツ医は競技中の動作や、競技特性を踏まえて原因を精査し、「いかに早く、かつ安全に競技へ復帰させるか」を重視して治療にあたります。

スポーツ医の資格

スポーツ医の資格には以下のような3つがあります。

• 日本整形外科学会認定スポーツ医

• 日本医師会認定健康スポーツ医

• 日本体育協会公認スポーツドクター

なかでも日本整形外科学会認定スポーツ医は、整形外科専門医の資格を取得した医師が、さらにスポーツ医学を専門的に学んだ場合に認定されます。整形外科の専門知識に加えてスポーツ医学に精通した専門家です。

スポーツ障害・スポーツ外傷の治療ができる

スポーツ医の大きな特徴は、スポーツ障害やスポーツ外傷に特化して治療ができる点です。

たとえば、オスグッド（膝下の骨の痛み）やシンスプリント（すねの内側の痛み）といった成長期に多いスポーツ障害は、早期に適切な診断と対応を行うことで、早期の回復とスムーズな競技への復帰が期待できます。

スポーツ医は痛みにだけ対応するのではなく、「競技への影響はどれくらいか」「どのタイミングで復帰可能か」を総合的に判断し、治療やリハビリを実施します。

■スポーツ医に診てもらうメリット

スポーツ医への受診には以下のようなメリットがあります。

• 復帰時期の判断を見極められる

• ケガの再発予防につながる

• パフォーマンスが向上する

• スポーツを継続できる可能性がある

それぞれ解説します。

復帰時期の判断を見極められる

スポーツ医に診てもらう大きなメリットの一つが、競技への安全な復帰時期を提案してくれることです。

スポーツのケガは、痛みの治療後すぐに練習を再開してしまうと再発のリスクが高まります。

痛みの程度や筋力の回復具合、競技特有の負荷を考慮し、「まだ戻るのは早い」「このメニューなら再開しても大丈夫」と専門的な視点から復帰への道筋を示してくれるため、納得して競技へ復帰できるでしょう。

ケガの再発予防につながる

スポーツ医への受診がケガの再発予防につながることもメリットの一つです。

スポーツのケガは、一度完治しても、体の使い方の癖や筋力の不足・柔軟性の低下・競技特有の負荷が原因で、同じ部位を再び痛めやすい特徴があります。

スポーツ医は、ケガの原因となる身体機能を見極め、再発しにくい体づくりをサポートします。

パフォーマンスが向上する

スポーツ医での治療が競技パフォーマンスの向上につながることもメリットの一つです。

スポーツ医は痛みの治療のほか、リハビリやトレーニングといった運動療法を重点的に行います。運動療法の過程で、正しい身体の使い方が身につき、結果としてパフォーマンスやスポーツの成績が向上するケースも少なくありません。

ケガの治療をしながら、パフォーマンスの向上を目指せる点は、スポーツ医ならではの強みといえます。

スポーツを継続できる可能性がある

信頼できるスポーツ医に出会うことで、スポーツを続けられる可能性があるというメリットがあります。

ケガが続くと、「もう無理だ」「これ以上は続けられない」と自信を喪失してしまう方は珍しくありません。

しかし、スポーツ医のサポートにより「思ったより短い期間で復帰できた」「再発しにくくなった」といった手応えを得られるようになると、選手は前向きに競技へ取り組めるようになります。

スポーツ医は、単に体を治すだけでなく、選手が安心して競技を続けられるための心の支えにもなる存在です。

■スポーツ医を選ぶポイント

スポーツ医を選ぶ際のポイントを紹介します。

本人に寄り添った治療をしてくれる

スポーツ医を選ぶ際には、本人や保護者の声にしっかり耳を傾けてくれるかどうかが大切です。

ケガや痛みの原因は一人ひとり異なり、同じ症状でも練習量や競技レベルによって治療やリハビリ内容が変わります。

本人の希望や競技目標を理解したうえで、治療方針や復帰計画を一緒に考えてくれる医師は、選手のスポーツ人生を長期的に支えてくれるでしょう。

チームワークを大切にしている

スポーツ医の診療は、リハビリを実施する理学療法士との連携が欠かせません。

きちんと医療者側で情報共有がされているクリニックは、ケガの治療から復帰まで一貫したサポート体制を整えています。

医師だけでなくリハビリスタッフや関係者全員が連携して取り組む体制を持つクリニックを選ぶことが、安心して競技復帰を目指すうえで重要です。

【スポーツ医はケガの治療だけでなくスポーツ人生を支える存在】

スポーツ医は、単にケガを治すだけでなく、競技復帰や再発予防までを見据えた専門的なサポートを行う医師です。

部活動に励む子どもや競技を続けたいアスリートにとって、スポーツ医は、ケガの治療だけでなく、長く安心してスポーツを続けるための心強いパートナーであるといえます。     

当院では、整形外科学会認定スポーツ医の資格を持つ医師が選手の競技生活を支える医療に取り組んでまいります。