
膝に痛みがあり、変形性膝関節症が疑われる場合、どのような治療となるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
「放っておくと悪化する?」
「手術になったらどうしよう」
と不安になる方も少なくありません。
しかし、変形性膝関節症の治療はすぐに手術が検討されるわけではなく、段階的に進めていくケースが一般的です。
この記事では、治療が必要になるタイミングや主な治療方法について解説します。変形性膝関節症の治療について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■膝が痛いときは何科を受診する?
膝に痛みがある場合、まずは整形外科への受診が基本です。その理由と、受診するタイミングについて確認していきましょう。
基本は整形外科
整形外科は、骨・関節・筋肉などの運動器を専門に扱う診療科であるため、次のような検査や診断を行うことがあります。
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問診
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画像検査(レントゲンやMRI)
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関節の状態の確認
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血液検査
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関節液の検査
これらの検査によって、変形性膝関節症なのか、それとも別の疾患なのかを判断します。
膝の痛みには、痛風など内科的な疾患が隠れている場合もありますが、他の診療科では、骨や関節の専門的な評価が難しい場合があります。
膝の痛みが続いている場合は、まず整形外科を受診し、整形外科領域の異常がないかを診てもらいましょう。
治療が必要になるタイミング
次のような膝の痛みの症状がある場合は、自己判断せず早めに整形外科を受診しましょう。
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膝の痛みが数週間以上続いている
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膝が腫れている、熱をもっている
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歩きにくさを感じる
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階段の上り下りがつらい
こうした状態は膝の関節に負担がかかっているほか、膝をかばって別の部位を傷める原因にも繋がります。
症状が進行する前に受診することで、治療の選択肢が広がり、回復もよりスムーズに進みやすくなります。気になる症状がある場合は、早めの受診を心がけましょう。
■変形性膝関節症の保存療法(手術をしない治療)
変形性膝関節症の治療は、まず保存療法から開始され、症状の程度に応じて次のような治療が行われることがあります。
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薬物療法
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リハビリ(運動療法)
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装具療法
これらを組み合わせながら、膝への負担を減らし、痛みを和らげていきます。
保存療法①薬物療法
薬物療法とは、薬を使って痛みや炎症を抑える治療です。痛み止めなどの内服薬や、湿布・塗り薬などの外用薬を用いるケースが一般的です。
また、状態に合わせてヒアルロン酸注射を実施する場合も少なくありません。
ヒアルロン酸注射は、膝関節の動きをなめらかにすることを目的として行われる治療で、膝関節に直接注射します。
ただし、薬はあくまで症状をやわらげるための治療であり、膝の変形そのものを完全に元に戻すものではありません。そのため、他の治療と組み合わせながら治療を進めていく必要があります。
保存療法②関節穿刺(かんせつせんし)
変形性膝関節症では、膝関節に直接注射針を刺して、溜まっている関節液(いわゆる「膝の水」)を抜く関節穿刺が行われるケースがあります。
これは、膝関節内の炎症によって関節液が過剰に分泌され、関節内に溜まることがあるためです。
関節液が溜まると膝の腫れや痛みが強くなるため、注射器で関節を穿刺し、余分な水を抜きます。
リハビリやストレッチ(運動療法)
変形性膝関節症の治療では、リハビリも重要な役割を担っています。
膝関節の負担を減らしたり、転倒などの二次障害を防いだりするために、以下のようなリハビリを実施することがあります。
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膝の可動域を広げる運動
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膝関節周囲の筋力トレーニング
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こわばった筋肉をゆるめるストレッチ
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歩き方の指導
「膝が痛いから動かさないほうがいい」と考える方もいますが、実は無理のない範囲のリハビリや運動は、症状の改善に有効なのです。
装具療法
膝の負担軽減や、転倒予防のために、装具を使用するケースもあります。
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膝サポーター
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杖
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インソール(足底板)
これらは膝の動きをサポートして痛みをやわらげ、日常生活を送りやすくするために使用される場合もあります。
■変形性膝関節症で手術を検討するのはどんなとき?
変形性膝関節症で保存療法を続けても症状が改善しない場合、手術が検討されるケースがあります。
ただし、手術はすべての患者さんに必要になるわけではありません。手術を検討する目安や、手術の種類について解説します。
手術を検討する目安
一般的には、次のような状態がみられる場合には手術をご案内することがあります。
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強い痛みが続いている
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歩くことが難しくなっている
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夜間にも痛みがある
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保存療法で十分な改善がみられない
手術をするかどうかは、症状の他に生活の状況や年齢、本人の意志なども考慮しながら、慎重に判断されます。
主な手術方法
変形性膝関節症では、主に次のような手術が行われます。
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関節鏡手術
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骨切り術
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人工膝関節置換術
関節の引っかかりや強い痛みがある場合には、関節鏡手術が行われることがあります。
また、症状が中期になると、関節を温存する目的で、脛骨(すねの骨)を一部切り、金属プレートで固定する骨切り術が検討されます。
末期になると、膝関節を人工関節に置き換える手術が選択肢となります。
【変形性膝関節症は早めの治療が肝心】
変形性膝関節症の治療は、薬物療法や関節穿刺といった保存療法から始めるのが一般的ですが、症状の進行によっては手術も検討されます。
症状の悪化や手術を避けるためにも、膝の痛みがあれば自己判断せず、まずは整形外科で相談してみましょう。患者さん一人ひとりの症状に合わせた治療法をご提案いたします。
