
むち打ちは、事故直後にははっきりとした症状が出ない方も多く、軽く考えてしまいがちなケガのひとつです。
しかし、適切な対応をせずにそのまま放置すると、痛みが長引いたり、日常生活に支障をきたしたりするケースも少なくありません。
この記事では、交通事故によるむち打ちの基礎知識から症状、治療について解説します。
交通事故後に首が痛くなってきた方や、そのご家族の方はぜひ参考にしてください。
目次
■むち打ちの基礎知識
むち打ちとは、交通事故やスポーツなどで首に急激な力が加わり、首の筋肉や靱帯などが傷つくケガの総称です。
医療機関では、以下のような診断名がつくことがあります。
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外傷性頚部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)
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頚椎捻挫(けいついねんざ)
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頸部挫傷(けいぶざしょう)
「むち打ち」は正式な病名ではなく、実際には症状やダメージを受けた部位によって診断名が異なります。
■交通事故後に首が痛い!むち打ちの原因
むち打ちの原因は、追突や衝突・急停車・転倒などによって首に強い衝撃が加わることです。
事故などの衝撃を受けると、首が後方へしなった後、その反動で前方へ大きく振られるむちのような動きが生じます。
この急激な首の動きによって、首周囲の筋肉や靱帯が過度に伸びたり、骨と骨のクッションの役割を担う椎間板に異常が引き起こされたりします。
むち打ちは、スポーツ中の転倒や衝突でも生じる可能性があり、衝突の規模が小さい事故でも発生しやすい点が特徴です。
■これってむち打ち?症状の特徴
むち打ちの主な症状を確認していきましょう。
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首や背中の痛み
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肩こりや背中の張り
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首の可動域の制限
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腕や手先のしびれ
事故直後は症状や外見上の変化がみられないケースも多く、数時間から1週間ほど経ってから痛みが現れやすい特徴があります。
また、痛みだけでなく、首周囲の炎症によって動きが制限され、「振り向けない」「上を向けない」といった可動域の制限を伴う方も少なくありません。
さらに、炎症による腫れなどで神経が圧迫・刺激されると、腕や手先にしびれが生じることがあります。
■むち打ちの治し方は?3つの治療法
むち打ちの治療は、基本的に手術を必要とせず、以下のような保存療法が中心となります。
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安静・固定療法
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痛みを和らげる薬物療法
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首の機能回復を目的としたリハビリテーション
それぞれの治療について確認していきましょう。
安静・固定療法
事故直後や痛みが強い急性期には、患部の安静が必要となる場合があります。
首を動かす・重いものを持つ・運動・長時間のデスクワークといった行動は控えるのが望ましいです。
ただし、必要以上の安静や固定はかえって回復を遅らせることがあるため、医師の判断のもと、痛みの程度に合わせて適切なタイミングで固定を外したり、動かし始めたりすることが大切です。
薬物療法(痛み止めや湿布)
安静や固定療法に加え、薬物療法の併用も大切です。
主に消炎鎮痛薬や筋肉の緊張を和らげる薬・湿布などを用いて、症状を緩和します。
薬はあくまで症状を和らげるための補助的な治療であるため、薬で痛みが軽くなったからといって無理をしないようにしましょう。
リハビリテーション(運動療法)
痛みが落ち着いてきた段階では、リハビリテーションによる機能回復が重要です。
温熱療法や電気療法などの物理療法で血流を改善したり、筋肉の緊張を和らげながら、徐々に首の可動域を広げていきます。
また、状態に応じて理学療法士と共に運動療法を行い、首や肩周囲の筋力を回復させ、再発や慢性化を防ぎます。
当院では理学療法士が常駐しており、医師と連携したリハビリテーションが可能です。
■交通事故後のむち打ちでよくある質問
むち打ちでよくある質問にお答えします。
軽いむち打ちは何日で治りますか?
軽症の場合、適切な治療を行えば数週間〜1ヶ月程度で軽快するケースが多いとされています。
ただし、自己判断で無理をすると治療が長引くこともあるため、早めの受診が重要です。
むち打ちで通院する回数は?
むち打ちの通院回数は、症状の強さや回復のスピードによって個人差があります。一般的には週2〜4日、通院期間は1〜3ヶ月程度が目安です。
痛みが強い初期は通院頻度が高くなりやすい傾向がありますが、症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を調整していきます。
【交通事故後の首の痛みで後悔しないために】
交通事故によるむち打ちは、首が大きくしなることで発症し、首の痛みや動かしにくさなど、さまざまな症状が現れます。
事故直後は症状が軽く感じられても、時間の経過とともに痛みが強くなるケースも少なくありません。
見た目では分かりにくいケガだからこそ、「たいしたことはない」と自己判断せず、違和感や軽い痛みがある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
