スポーツ整形外科では、一般的な整形外科と違い、競技への復帰やケガをしにくい体づくりを目指して治療を行います。

「整形外科で治療したけれど、体を動かすのが怖い」

「もうすぐ試合なので早く治したい」

と悩むスポーツをしている方は少なくありません。

本記事では、整形外科とスポーツ整形外科の違いや受診時のポイント、クリニックの選び方を解説します。

競技復帰を目指すアスリートの方や、スポーツをしているお子さんのケガに悩む保護者の方はぜひ参考にしてください。

■スポーツ整形外科とは？整形外科との違い

整形外科とスポーツ整形外科の対象疾患や治療内容の違いをみていきましょう。

スポーツ特有の障害や外傷に特化

日常生活で起こる痛みやケガなど運動器全般（骨・関節・筋肉・神経）を幅広く診療するのが整形外科です。

一方、スポーツ整形外科では、運動中に生じる外傷や繰り返しの動作による障害（スポーツ障害）を専門的に診療します。

整形外科とスポーツ整形外科の主な対象疾患には以下のようなものがあります。

診療科目	対象疾患例
整形外科	肩こり、寝違え、五十肩、変形性関節症、腰痛、骨折、捻挫、骨粗しょう症など
スポーツ整形外科	野球肘、テニス肘、腰椎分離症、疲労骨折、肉離れ、アキレス腱周囲炎、半月板損傷、シンスプリントなど

一般的な整形外科でもスポーツによる外傷やケガの治療は可能ですが、より専門的に診察・治療ができる点がスポーツ整形外科の特徴です。

競技復帰・再発防止・パフォーマンスの向上が目的

整形外科とスポーツ整形外科では、治療内容や治療目的にも違いがみられます。

整形外科では、痛みの緩和やQOL（生活の質）の改善を目的として、投薬や固定を行うのが一般的です。

一方、スポーツ整形外科では痛みの緩和だけでなく、競技復帰・再発防止・パフォーマンスの向上を目的として、治療のほか回復段階に応じたリハビリ・トレーニングなども実施します。

ケガの治療にとどまらず、競技を続ける選手の将来を見据えてサポートをすることがスポーツ整形外科の役割です。

■スポーツ整形外科受診の目安

ここでは、どんな症状や状況のときにスポーツ整形外科を受診すべきか、その目安を紹介します。

痛みや違和感が長引いているとき

整形外科で治療を受けても、違和感や軽度の痛みが続き、スポーツで全力を出せない場合にはスポーツ整形外科への受診を検討してみてください。

「完治したと言われたけれど怖くて全力で動けない」

「治ったはずなのに動かすとちょっとした違和感がある」

といった状態は、復帰時期や復帰後のトレーニングの負荷が合っていないのかもしれません。

スポーツ整形外科では、競技動作やフォームを考慮しながら、医師や理学療法士が一人ひとりの回復段階に合わせてリハビリやトレーニングを行い安全な復帰をサポートします。

ケガを繰り返すとき

ケガを繰り返す場合も、スポーツ整形外科を受診する目安の一つです。

フォームの癖、柔軟性の不足などが影響して、体のさまざまな場所に負担がかかっている可能性があります。

スポーツ整形外科にて、ケガ後の状態に合わせたトレーニングの相談や、日頃のフォームや姿勢の改善などを行い、ケガをしにくい体づくりをサポートします。

大会や試合に向けて早期復帰を目指したいとき

大会や試合が近い場合は、スポーツ整形外科にて体やケガの状態に合わせたトレーニング方法を相談しておくと安心です。

「少し痛いけれど試合に出たい」

「今休んだらチームに迷惑がかかる」

と無理をしてしまう方も多いですが、痛みを抱えたままプレーを続けると、再発や悪化の原因につながりかねません。

スポーツ整形外科では、試合や大会の日程を考慮しながら、医学的根拠に基づいた治療計画やリハビリのペースを提案してくれます。

焦らず専門医に相談し、体の状態に合った治療を受けることが、競技を長く続けるために大切です。

■スポーツ整形外科クリニックを選ぶポイント

スポーツ整形外科クリニックを選ぶポイントを解説します。

リハビリ設備やスタッフ体制が充実しているか

スポーツ整形外科を選ぶうえで、リハビリ設備やスタッフの体制の確認は重要です。

理学療法士（PT）が常駐し、専用のリハビリ室を備えたクリニックでは、ケガの回復段階や競技特性に応じたリハビリプランを提案してもらえます。

ケガの再発を防ぎ、競技への早期復帰を目指すには、治療後のリハビリ（運動療法）が欠かせません。

リハビリ体制の充実度は、再発防止や長期的な競技力維持にもつながるため大切です。

競技に応じた治療経験があるか

スポーツ整形外科を選ぶ際は、自分の競技に詳しい医師が在籍しているかどうかも大切なポイントです。

競技ごとに体の使い方や起こりやすいケガの種類や治療は異なります。

それぞれの競技特性や動作を理解している医師であれば、ケガの根本原因を見極めた治療ができるだけでなく、復帰後のパフォーマンス維持・向上も考慮してくれます。

大きな病院と連携しているか

スポーツにおけるケガでは、保存療法や運動療法だけでなく、必要に応じて手術を含めた治療が検討される場合があります。

そのため、手術が可能な総合病院や専門病院と連携しているかどうかもポイントです。

大きな病院と連携している場合、術前から術後、競技復帰までを一貫してサポートできるため、選手や保護者にとっても安心できる環境です。

西郷整形外科リハビリクリニック土浦院では、必要に応じて土浦協同病院と連携し、治療からリハビリまでをしっかり支援しています。

【スポーツ整形外科で競技復帰を目指そう！】

スポーツ整形外科は、アスリートの方やスポーツを頑張るお子さんとその保護者に寄り添う頼もしい味方です。

当院は日本整形外科学会認定スポーツ医の資格を持った医師が在籍しています。競技へ復帰や、再発防止、パフォーマンス向上を目指して、適切な治療方法をご提案いたします。