
四十肩や五十肩が疑われる場合、どんな治療をするのか、自宅でできるストレッチはないかと気になる方は多いのではないでしょうか。
四十肩・五十肩は、基本的に手術をしない保存療法での治療をメインに行います。具体的には、薬の内服・注射・リハビリなどがあり、それぞれ状態に合わせて治療が選択されます。
本記事では四十肩・五十肩にお悩みの方に向けて、具体的な治療内容や自宅でできるストレッチを解説します。
治療が不安な方、事前に流れを知っておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
■内服や貼り薬による治療
内服薬や貼り薬は、主に痛みが強い急性期に用いられます。処方されやすい薬についてみていきましょう。
消炎鎮痛薬(ロキソニンやボルタレンなど)
消炎鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)は、四十肩・五十肩の治療で広く用いられている代表的な薬の一つです。
痛みを和らげると同時に炎症を抑える作用があり、特に炎症が強い時期に使用されます。
強い痛みに効果が期待できる一方で、胃痛や胃炎などの副作用が現れることもあります。そのため、胃が弱い方や高齢の方では、使用にあたって注意が必要です。
湿布薬・塗布薬
湿布薬は、痛みのある部位に直接貼付でき、有効成分が皮膚から吸収されることで、肩の炎症や痛みをやわらげます。
内服薬に比べて全身への負担が少なく使いやすい一方で、皮膚がかぶれやすい方は注意が必要です。
四十肩・五十肩の場合は片手で貼る必要があるため、自分でうまく貼るのが難しい場合には、ゲルやローションタイプの外用薬が用いられることもあります。
アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは、比較的体にやさしい鎮痛薬です。ロキソニンなどの消炎鎮痛薬に比べて抗炎症作用は弱いものの、胃腸障害が起こりにくいという特徴があります。
そのため、高齢の方や副作用のリスクを抑えたい方に適した薬でもあります。
筋弛緩薬(ミオナールなど)
筋弛緩薬は、肩や首まわりの筋肉の緊張をゆるめる薬です。四十肩・五十肩では、痛みにより肩をかばう動きが続き、周囲の筋肉がこわばりやすくなります。
筋弛緩薬は、このような筋肉の緊張をやわらげ、痛みの軽減や可動域の改善を目的として用いられる場合があります。
■局所注射による治療
痛みが強い場合や、内服薬で十分な改善が得られない場合には、炎症を抑える薬などを肩に直接注射する治療を行うことがあります。
ステロイド注射
炎症が強い時期には、炎症を強く抑えるステロイド薬を肩の関節や周囲に注射します。
ステロイド薬は強い抗炎症作用を持つため、内服薬などでは十分な効果が得られない場合でも、1回の注射で痛みが軽くなるケースも少なくありません。
内服薬や湿布薬のように毎日続けて行う治療ではなく、数日~数週間の間隔をあけながら、必要に応じて用いられる治療です。
ヒアルロン酸注射
関節注射では、ヒアルロン酸もよく使用される薬の一つです。ステロイド注射のように炎症や痛みを直接抑えるものではなく、関節の動きをなめらかにすることを目的として用いられます。
四十肩・五十肩では、関節内の炎症により関節の動きがスムーズでなくなり、可動域が制限されるケースも少なくありません。
そのような場合にヒアルロン酸を注射すると、関節の滑りが良くなり、動作がスムーズになるため、リハビリや日常生活をよりスムーズに行いやすくなります。
■リハビリやストレッチ
四十肩・五十肩の回復には、肩を少しずつ動かすリハビリやストレッチなどの運動療法が重要です。
肩を動かさない状態が続くと関節がさらに硬くなってしまうことがあるため、痛みの程度に応じて、無理のない範囲で運動を行います。
自己流でのリハビリは再発や悪化を招く可能性もあるため、リハビリは医師の指示のもと、理学療法士とともに進めましょう。
四十肩・五十肩で医療機関を受診する際は、リハビリ設備が整っているか、理学療法士が在籍しているかを確認し、運動療法に対応できる施設を選ぶことが大切です。
■四十肩・五十肩の家庭でできるストレッチ
四十肩・五十肩の改善や予防には、日常的なストレッチが欠かせません。
無理のない範囲でストレッチを継続すると、肩まわりの筋肉がほぐれ、痛みの軽減や可動域の改善が期待できます。
ここでは、家庭で簡単にできるストレッチを紹介します。
※痛みが非常に強い時期(急性期)に無理に動かすと、かえって炎症を悪化させてしまうことがあります。家庭でのストレッチを行うタイミングは医師に確認するようにしましょう。
振り子ストレッチ(コットマン体操)
振り子ストレッチは、腕の重さを利用して肩関節をゆらし、筋肉の緊張をやわらげるストレッチです。
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机に手をつく(少し前かがみの状態)
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痛い方の手を下におろす
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前後左右や円状に揺らす
朝夕の2回、それぞれ20秒前後を目安に行いましょう。
肩まわしストレッチ
肩まわしストレッチは、肩甲骨を動かすことで肩周囲の筋肉をほぐし、可動域を広げる効果が期待できます。
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肘を曲げ、肩に手を沿える
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肘で円を描くようにゆっくりとまわす
外回し・内回しをそれぞれ10回ずつ、痛みの出ない範囲で行いましょう。
【四十肩・五十肩の治療は医師の判断が大切】
四十肩・五十肩は、多くの場合、適切な治療を行うことで改善が期待できる疾患です。しかし、痛みを我慢して安静にしすぎると肩が固まり、回復が遅れるだけでなく、日常生活が不便に感じることもあります。
一方で、自己流で痛みを我慢しながらストレッチや運動を行うと、かえって症状を悪化させるおそれもあります。
四十肩・五十肩の改善には、痛みや状態に応じた適切な対応が重要です。理学療法士が在籍するリハビリ設備の整った整形外科を受診し、無理のない範囲で治療を進めていきましょう。
