
スポーツ中に起こるケガは、「スポーツ障害」や「スポーツ外傷」と呼ばれます。
一見似た言葉ですが、スポーツ障害とスポーツ外傷では、ケガが起こる原因や症状の現れ方、対処方法が異なります。
「この痛みはどちらに当たるのだろう」「練習を続けても大丈夫なのだろうか」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、スポーツ障害とスポーツ外傷の違いについて解説します。ご自身やお子さんの症状を正しく理解し、安心してスポーツを続けるための参考にしてください。
目次
■スポーツ障害の特徴とは?
スポーツ障害は、同じ動作や負荷を繰り返すうちに、少しずつ現れるケガを指します。
受傷した自覚がないまま、「少し違和感がある」「動かすと軽く痛む」といった症状から始まるケースも少なくありません。
スポーツ障害となる原因や、代表的な症状についても確認していきましょう。
スポーツ障害の原因
スポーツ障害の原因としては以下のような理由が考えられます。
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使いすぎ(オーバーユース)
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フォームの乱れ
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柔軟性の低下
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身体バランスの不均衡
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十分な休養の不足 など
例えば、野球のピッチング練習やテニスの素振りなど、同じフォームを繰り返す動作によって発症しやすく、成長期の子どもや部活動・競技を続けている方に多くみられます。
時間をかけて少しずつ悪化するため、「これくらいなら我慢できる」と無理を続けてしまいやすい点には注意が必要です。
スポーツ障害の代表的なもの一覧
スポーツ障害の代表的な例を紹介します。
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野球肘
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テニス肘
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シンスプリント
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オスグッド病
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疲労骨折
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ジャンパー膝 など
これらはいずれも、同じ動作の繰り返しや過度な負荷によって発症しやすいスポーツ障害です。
スポーツ障害は、放置してしまうと回復に時間がかかったり、競技の継続が難しくなったりする場合もあるため、痛みや違和感を覚えたら我慢せず、早めに専門的な診断を受け、適切な処置とリハビリを行うことが早期復帰への一番の近道です。
■スポーツ外傷の特徴とは?
スポーツ外傷は、転倒・衝突・急なひねりなど、突発的な外力によって起こるケガです。受傷した瞬間がはっきりしており、ときに強い痛みや腫れ、内出血などを伴います。
スポーツ外傷の原因
スポーツ外傷は、次のような場面で起こりやすいとされます。
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プレー中の接触事故
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ジャンプの着地ミス
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走行中の転倒 など
このように、予期せぬタイミングや強い衝撃をきっかけに、骨や筋肉・関節・腱などに急性のケガが生じます。
スポーツ外傷の代表的なもの一覧
スポーツ外傷の代表例を確認していきましょう。
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捻挫
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打撲
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肉離れ
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骨折
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脱臼
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靭帯損傷 など
これらのケガは、どのスポーツ中でも起こる可能性があります。また、試合中などで興奮状態にあると、痛みに気付きにくいケースもあります。
適切な処置を行わずに競技を続けると、後遺症や悪化につながる可能性もあるため、競技を中断しての応急処置や安静など、慎重な対応が求められます。
■スポーツ障害とスポーツ外傷の違い
スポーツ障害とスポーツ外傷の違いをわかりやすく一覧にしています。
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スポーツ障害 |
スポーツ外傷 |
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起こり方 |
繰り返しの負荷 |
突発的な外力 |
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発症のタイミング |
徐々に |
瞬間的 |
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痛みの特徴 |
慢性 |
急性 |
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主な対応と治療 |
医療機関受診 リハビリ フォーム改善 |
医療機関受診 応急処置 リハビリ |
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主な予防策 |
ストレッチ 運動量の調整 ポジションをローテーションする |
準備運動 疲労時は無理をしない 水分補給 |
両者の違いについて、以下で詳しく解説します。
違い①起こり方と痛みの特徴
スポーツ障害とスポーツ外傷の大きな違いは、ケガがどのように起こるかという点です。
スポーツ障害が日々の負荷の積み重ねで発症するのに対し、スポーツ外傷は転倒や衝突など、ひとつの出来事をきっかけに発症します。
たとえば、痛みが徐々に強くなってきた場合や、運動後に違和感が残る場合は、スポーツ障害が疑われます。
一方で、ケガをした瞬間に強い痛みが出た、すぐに腫れや動かしにくさが現れたといった場合は、スポーツ外傷の可能性が高いでしょう。
違い②対応と予防策
対応や予防策についても、スポーツ障害とスポーツ外傷では考え方が異なります。
スポーツ障害では、患部の治療に加え、動作のクセやフォームの見直しを行うことが、再発防止の観点から重要です。
一方、スポーツ外傷では、受傷直後の適切な応急処置に加え、回復段階に応じたリハビリも競技復帰に影響しやすいポイントです。
いずれの場合も、治療だけでなく、安全に競技へ復帰するための専門的なケアが欠かせません。
スポーツ障害とスポーツ外傷それぞれの特徴を理解したうえで、適切な対応が可能な医療機関への受診が大切です。
当院では、スポーツ医の資格を持つ医師と、理学療法士が連携し、競技の特性や競技レベルに応じた治療・リハビリをご提供しています。
【競技や運動中に痛みや違和感を感じたら、整形外科を受診しましょう】
スポーツ障害もスポーツ外傷も、痛みを軽く見てしまうと競技からの長期離脱につながる可能性があります。
特にスポーツ障害の場合、初期症状は軽い違和感であるケースが多く、「大したことないだろう」と競技を続けてしまうと、炎症や組織の損傷が進行してしまう方も少なくありません。
また、スポーツ外傷においても、「歩けるから大丈夫」「腫れが引いたから問題ない」と判断するのはあまりよくありません。
痛みや違和感がある場合は自己判断せず、なるべくスポーツに精通した整形外科クリニックを受診しましょう。
