肘・手・指の痛みについて

負担のかかりやすい部位だからこそ
疾患の早期発見・治療が大切です
肘や手、指は日常生活で使うことが多く、知らず知らずのうちに負担が蓄積していることもあります。肘・手・指に痛みや変形が生じる疾患は、主に使いすぎをはじめとして、加齢ホルモンバランスの変化が原因としてあげられます。早期発見・治療が大切ですので、症状がある際は我慢や放置をせず、お早めにご相談ください。
このような症状で
お悩みではありませんか?
- 肘が痛い
- 手が痛い
- 肘が曲がらない
- 手がしびれる
- 疲労感がある
- 手が腫れている
- 腕があがらない
- 指が痛い
- 指にしこりがある
- 指の付け根がうずく
代表的な疾患
- 野球肘
- ばね指(腱鞘炎)
- 肘内障
- 突き指
- 肘部管症候群
- デュピュイトラン拘縮
- 変形性肘関節症
- ヘバーデン結節
- 離断性骨軟骨炎
- 胸郭出口症候群
- 関節リウマチ
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 手根管症候群
- ドケルバン腱鞘炎
- 手指変形性関節症
主な疾患
肘の痛みに関する疾患
テニス肘(外側上顆炎)
手や腕に繰り返し負荷がかかることが原因の疾患です。肘の外側から前腕にかけて痛みが出る特徴があり、主にタオルをしぼる動作やものを握って持ち上げる動作で症状が生じます。保存療法や薬物療法で自然に改善することを目指し、場合によっては手術も行います。
ゴルフ肘(内側上顆炎)
肘や手首に負担がかかり続けることで発症する疾患であり、肘内部の内側上顆に炎症が生じます。ゴルフやテニスプレイヤーに多い特徴があり、握る動作や手首を内側に回す際に痛みが生じてしまいます。テーピングやストレッチ、トレーニングなどの保存療法を取り、場合によっては手術も行います。
肘部管症候群
加齢や肘の使いすぎなどで肘関節が変形し、内側の肘関節にある肘部管というトンネル状の組織を圧迫する疾患です。肘部管を通る神経が刺激され、小指や薬指部分のしびれ、変形、痩せなどの症状が生じます。保存療法での治療が主流であり、症状によっては手術も行います。
手の痛みに関する疾患
手根管症候群
手首にある手根管という筒状組織には、正中神経や腱が通っています。手首の使いすぎ、腫瘍、妊娠・出産の影響などで神経が圧迫されると、母指、示指、中指にしびれや痛みが生じて細かい作業が困難になってしまいます。治療では、消炎鎮痛剤やビタミン剤の使用、腱鞘内注射などの方法を取ります。
ばね指(弾発指)
指の腱鞘炎とも呼ばれており、指の使いすぎやホルモンバランスの変化が原因となり発症します。手のひら側の指の痛み、熱感、曲げ伸ばしで引っかかる、こわばるなどの症状が特徴であり、特に母指、示指、薬指で多く見られます。安静にして消炎鎮痛剤を使う保存療法、および手術療法などで治療します。
ドゥケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
スポーツや仕事で母指を酷使したかた、妊娠出産期や更年期の女性などに生じやすい疾患です。腱鞘炎の一種であり、手首や母指の痛み、手の脱力感などが主な症状としてあげられます。物量療法、薬物療法、リハビリなど症状に応じて適した方法で治療を進めます。
指の痛みに関する疾患
関節リウマチ
主に手足の関節が腫れたり傷んだりする疾患を指します。30〜50歳の女性に多く発症する傾向があり、進行すると骨や軟骨が壊れて痛みや動きの制限が出ます。免疫系の異常が主な原因とされており、薬物療法で進行を抑える処置が取られます。
指の変形性関節症
手の使いすぎ、加齢、女性ホルモンの減少などが原因となり、指の関節が変形する、腫れるなど生じる疾患です。指の関節や母指の付け根に痛みが出る、母指が動きにくいなどの症状が特徴であり、治療期間は安静にする、テーピングで固定するなど保存療法が主に用いられます。
マレットフィンガー(槌指)
つき指が主な原因となり、指の第一関節が曲がった状態から戻らなくなる疾患をマレットフィンガーと言います。指の腱断裂、もしくは骨折しており、痛みや腫れなどの症状が出ます。腱性の場合は装具などを添えて固定する保存療法が取られ、骨折を伴う場合は手術を必要とすることがあります。
肘・手・指の治療について
関節リウマチの治療

症状、血液検査、レントゲンや超音波などの画像検査の結果から診断を行います。主に薬物療法を行い、病気の進行を抑えて関節の破壊を防ぎます。また当院では、物理療法や運動療法などのリハビリテーションも積極的に行っております。患者さんにとって適切なお薬を処方することで、ほとんど痛みのない状態まで改善させることも可能です。
手外科での治療

手は人間の行動に密接に関わっており、痛みや動作不良を抱えたままでは日常生活に支障をきたします。下肢のような強さもないため、過負荷とならぬよう考慮したうえでどのような治療を行うか決めていくことが大切です。手術療法や治療療法の選択やタイミングも考えながら、適切な治療を行っていく必要があります。
症例紹介
よくあるご質問

肘の痛みは放置しても治りますか?

放置することで症状が改善するどころか、悪化するケースもあります。痛みがある場合はお早めに整形外科を受診ください。

手や指のしびれは何が原因ですか?

ストレスや血行不良、末梢神経の圧迫、栄養不足、姿勢の悪さ、薬の副作用など、さまざまな原因が考えられます。

ばね指は自然に治ることがありますか?

軽度の症状であれば、安静にすることで自然回復することもあります。症状が重い場合は薬物療法や手術で治療します。

日常生活で肘や手の痛みを軽減する方法はありますか?

ストレッチを習慣化する、運動後はアイシングや温湿布をする、テーピングを使用する、無理な負担がかからないよう心がけるなど、日々の生活で疾患の対策をすることができます。

手や指が痛い場合、どの診療科を受診すればよいですか?

整形外科を受診しましょう。骨折や脱臼、靭帯損傷、腱損傷、神経障害などが考えられます。